eヘルス国際倫理コード

 eヘルス国際倫理コード

「eヘルス国際倫理コード(eHealth Code of Ethics)」は、消費者がインターネット上の医療・健康関連の情報、製品、サービスを安全で信頼できる環境で利用できるよう、プロバイダーである企業、組織、個人が自主的に遵守すべき事項をまとめた国際的な倫理綱領です。

・Candor(公正さ)、
・Honesty(誠実性)、
・Quality(質)、
・Informed Consent(リスクの開示と決定権の確保)、
・Privacy(プライバシー保護)、
・Professionalism(プロフェッショナリズム)、
・Responsible Partnering(責任あるパートナリズム)、
・Accountability(誠意ある対応)

の8項目にわたり、詳細な倫理規範が規定されています。

1999年10月、アメリカにおいて医療専門家、産業界のリーダーたちが集まり、インターネットの医療利用における問題点、消費者の信頼を損ねる具体的な問題をとりあげ、eヘルスの健全な発展を進めていくためには、情報、製品、サービスの提供者であるすべての関係者が自律的に倫理的行動をとっていくべきだとして、そのための倫理基準が策定されるべきだという提案がなされました。これを受けて2000年2月に、ワシントンにおいて、政府関係者も含めてeHealth Ethics Summitが開かれ、その中のステアリンググループが中心となって、原案となるドラフトコードが作成され、その後2か月間にわたるパブリックコメントにかけられました。これらの作業を経て、2000年5月24日に最終版ができあがり、ネット上でも公開されました。このeHealth国際倫理コードは、文字どおり特定の国や地域に限定される倫理コードでなく、グローバルに発展していく今日の情報ネットワーク時代にあわせて、ヘルスケアに関わる世界中の組織・団体・個人に理解と賛同を呼びかけるものです。国によって、法制度や環境の違いはありますが、共通して抱える問題を関係者が中心になって前向きに解決していこうというものです。

JIMAが設立された1998年、私たちもこのような倫理基準が必要と考え、その一部として「情報発信者のガイドライン」を提案してきましたが、ある意味で最終的にまとまめたいと考えている包括的な倫理規範に近いものが、ここに準備されているとみることもできます。

2000年10月ラスベガスで開催された「Quality Healthcare Information on the Net 2000」にJIMAが参加した折り、このカンファランスの主催団体であり、eHealth Code of Ethicsの策定に中心的にかかわった非営利団体のInternet Healthcare Coalition(IHC)とも交流を開始できる機会を得ました。同カンファランスの最終プログラムでは、このeHealth Code of Ethicsが米医師会、FTCの参加するパワーパネルでも議題となり、今後の展開法が討議されました。JIMAではこのカンファランス参加を踏まえ、今後、海外の団体との連携をはかり、世界的なネットワークに参加していくことを重要と考え、この種の倫理コードを日本のNPOの立場から承認(endorse)していくことも検討中です。そのための資料として、まずはこのeHealth Code of Ethicsの日本語版を作成させていただきました。

8項目からなる倫理コードは、詳細を見ていただければわかりますように、どの項目をとってもeヘルスにかかわるすべてのものが目指すべき高い基準の倫理的目標を示しています。インターネットの特性である自由性、無規律性とは違う立場にたって、主体者が自律的に行動することを前提にしていますが、医療という特殊な分野で、利用者の安全性、確実性を優先するJIMAの活動理念に適う規範と考えます。プライバシー保護や、セキュリティ対策などやや対応の遅れるわが国では、早急に対応すべき課題を提示されたかたちとなります。しかし、海外においてもまだ多くはこの高い基準を達成できていない状況であり、同じ目標をかかげることで、問題を共有し、情報交流を活発に行っていく中で、より有効な解決策や工夫が見いだせるのではないかと期待しています。

以下に「eヘルス国際倫理コード(eHealth Code of Ethics)」に関するサイトを案内します。

■eHealth Code of Ethicsについての詳細情報と、Ethics Codeの英語版、スペイン語版、中国語版(予定)が提供されています。

■「eヘルス国際倫理コード」日本語版(日本インターネット医療協議会による)です。
(PDFファイル/53KB)です。

上記、各国語版は他言語OSでも世界共通で見られるよう、一部PDFファイルで提供されています。
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